ある大学の○○教授(国際関係論)への僕(川にゃ)からの公開返信です。 |
本ブログ名『スウェーデンは準核武装国です。スイスも準核武装国です。』に直接関係のある内容は、下記アドレスに書きました。
http://kawanya.exblog.jp/21494690/
ある大学の○○教授(国際関係論)への僕(川にゃ)からの公開返信です。
1、メールでの僕からの突然の質問に対して丁寧にメールでお答えいただき、ありがとうございました。
勝手ながら、こういう形で返信させていただきます。
返信メールを読み、○○教授ご自身も、拉致被害者の正確な数を日本が把握する方法はない、と結論付けていらっしゃるのですね。
あの番組での○○教授の自信満々の口ぶりからは、拉致被害者の正確な数を把握する方法を○○教授御自身は知っていらっしゃるのだろう、ぜひ教えていただきたい、と期待していたので残念です。
その一番重要な点が分かりましたので以下の文章は蛇足になりますが、一応書いておきます。
2、○○教授が提示された拉致問題についての解決というのは、いわゆる「落とし所」を探ることと私は解しました。
しかし、日本と北朝鮮との間の信頼関係が無ければ、落とし所を探ることもできないでしょう。
なぜかと言えば、北朝鮮が「我々が拉致した日本人は全部で20人である。その内15人を帰すが、残り5人は返さない。」と言っても、その数字を信じることができなければ、とうてい北朝鮮の主張を前提とした交渉を妥結することができないからです。
つまり、元工作員の話等から総合判断して拉致された日本人は本当は100人以上に達する可能性が高いのに北朝鮮が20人であると嘘を言っている、と日本が疑えば、落とし所が大きく異なってしまうのです。
落とし所って、本当に難しいですね。
そして、そんなことよりも、最終的に日本政府に見捨てられることになり北朝鮮で死ぬまで生活せざるを得なくなる拉致被害者は、どうするのでしょうか。
置き去りにされる拉致被害者から帰国の希望を奪う権利が誰にあるのでしょうか。
〇〇教授、あなたは「だからこそ政府は決断すべきなのです」と書いています。
しかし、そんな決断をしたら国民の大反発により政権は持ちません。
拉致問題と北方領土問題は似ています。
4島の返還は譲れません。拉致被害者全員の帰国も譲れません。
しかし、最終解決に至るまでの途中の経過は様々な方法論があるでしょう。そ方法論を専門家に構築してほしいのです。
どうか、「落とし所」によって捨てられる拉致被害者のことを心に留めてください。
3、かつては、拉致問題解決のための方法が存在したと思います。
以下にその方法を説明します。
北朝鮮は過去に数々のテロを行ってきました。
1960年代には韓国大統領官邸(青瓦台)襲撃事件があり、
1980年代には韓国大統領を狙ったラングーン(ビルマ)爆弾テロと大韓航空爆破テロがありました。にもかかわらず、北朝鮮は一切これらのテロを認めていません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6
よって、青山繁晴氏が言うように、このようなテロ国家北朝鮮の体制が変わらない限り日朝の間には信頼関係を築くことは無理であろう可能性が高い、と私は思います。
では、北朝鮮との信頼関係を構築する方法以外で、拉致被害者を取り戻す方法とは何でしょうか。
それはアメリカによる空爆の威嚇です。
事実、平成14年(2002年)の第1回小泉訪朝で拉致の事実を北朝鮮が認めたのは、94年の米朝合意に反して北朝鮮が核開発を行っていたことがアメリカの分かるところとなり空爆の可能性が一気に高まったからでした。
歴代のテロを一切認めない北朝鮮が拉致を認める(!)という大きな譲歩があって初めて小泉訪朝は実現しました。日本外交の大きな成果です。
すなわち、激怒したアメリカによる空爆を北朝鮮が非常に恐れたから日本を使ってアメリカを止めさせようとしたのだ、と西岡力先生は解説しておられます(雑誌『正論』平成17年11月号)。
しかし、アメリカはその半年後のイラク侵攻で忙しくて北朝鮮への空爆は実行されず、結局2006年10月9日に北朝鮮は「核実験」を強行してしまいました。
北朝鮮が核を持ってしまった結果、アメリカといえども核戦争に発展する可能性がある空爆ができなくなってしまいました。
つまり、拉致問題解決のカードが失われてしまったと思うのです。
専門家の方々にお願いしたいのです。
米軍の空爆が封じられてしまった現在、これに替わる方法を提案していただきたいのです。
4、ソ連が日ソ中立条約を破った結果、シベリアに抑留された日本人は65万人とされています。
その内6万人が殺されて59万人が帰国できました。91%の帰国率です。
但し、諸説ありますが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%8A%91%E7%95%99
拉致被害者には91%以上の帰国率を期待したいものです。
しかし、シベリアの場合は抑留者の数がほぼ判明していましたが、北朝鮮による拉致の場合は、上記2の通り拉致被害者の総数が分かりません。悩ましい限りです。
5、小泉政権時代の平成13年(2001年)12月、九州西方海域に北朝鮮の不審船が、海上保安庁の巡視船の停止命令を無視して逃走を図る事件が起こりました。
停止命令を行った後に巡視船が威嚇射撃を行なったところ、その不審船は自動小銃などを巡視船に向けて撃ってきました。
その後、その不審船は自沈したのです。
海上保安庁のHPの写真です。手前の白い船は海上保安庁の巡視船で、左の青いのが不審船です。
http://www.youtube.com/watch?v=CxU_FtAjQx0
それまでの政権は、不審船の存在に気付きながら不審船に対する取締りを怠ってきました。
しかし小泉内閣は、不審船に対する追跡と威嚇射撃を許可したのです。
小泉内閣のこの英断は、この事件以後の拉致被害者の増加を食い止めることができた画期的な出来事になりました。
帝京大学の志方教授(元陸上自衛隊最高幹部)によりますと、この事件以後、北朝鮮の不審船は一切日本領海近くに来ていないそうです。
既に拉致された被害者を取り戻すことは当然に極めて重要ですが、不審船による拉致の被害者をこれ以上増やさないことも極めて重要な政府の任務です。
その最重要な任務を、小泉総理は断行したのです。
だからこそ、元産経新聞支局長の山際澄夫氏も番組の中で防衛力の強化を訴えておられたのです。
どういうわけか○○教授がこの点を評価しないで「小泉内閣やその後の自民党政権は拉致問題のためにほとんど何も貢献していない。」などとテレビで喚くのは、お止めになられた方が良いでしょう。
以上です。
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