スウェーデンとスイスは、かつて核兵器を開発していました。 |
北欧の永世中立国スウェーデンです。
1、永世中立国のスウェーデンとスイスは、時には協力を模索しながら戦後一貫して核開発を継続してきました。
核実験こそ行われませんでしたが、一説には、核実験場まで決定しており、政治家が命令すれば核実験が可能なレベルにまで到達していました。
両国の核開発は、ドイツの再軍備とソ連の脅威に備えてのものでした。
両国の核開発は現在は中止されているとはいえ、ソ連のような軍事独裁国が欧州に出現した場合には、再び核開発が再開されて核実験・核武装が実現するでしょう。
2、 スイスは第二次大戦後、秘密裏に核兵器開発計画を進めていましたが、実用化されないまま冷戦が緩和された1988年に中止されました。
これは、スイス政府が1995年に調査して発表したものです。
スイスが核計画を進めた理由は、当時の旧ソ連の脅威と歴史的なドイツへの警戒心からです。
同国は最高で広島型の13倍の威力を持つ原子爆弾400個を保有する計画を立て、1974年には原子爆弾の設計に必要な研究を完了し、中性子爆弾の開発も検討していました。
86年の段階で「2年以内に核保有が可能」としていました。
中欧の永世中立国スイスです。
永世中立国とは、中立を宣言して世界に認めてもらうだけでなく自分の国は自分で守れる国でもあるのです。
以上の内容についての参考文献です。
3、スウェーデンの原子爆弾開発 (wiki)
1950年代、東西冷戦構造の狭間にあったスウェーデンでは武装中立を国提としており、安全保障が求められていた。
そこで表面的にはエネルギーの供給という名目で原子炉を建設してプルトニウムを生産したが、国内で産出するウランの純度が低く開発は難航した。
1960年代に入ると、国家財政の問題や、1968年にNPTが結ばれた事、開発計画を嗅ぎ付けた超大国等からの圧力などにより、計画は中止された。
共同開発を模索していた永世中立国スウェーデンとスイスは、首相等の命令があればすぐに組み立てて核実験できるところまで開発が進んでいた可能性があるようです。
<関連記事>
・スイス、冷戦期に「核」計画 原爆400個保有目標--軍資料で判明(98.08.06 毎日朝刊)
・スイス、核開発計画あった 終戦直後の45年、冷戦緩和で88年中止(98.08.07 朝日朝刊)
4、皆さんご存知の通り、同盟国アメリカは、核の傘を提供することで日本の核武装を封じ込めています。
「アメリカの核の傘があるのだから、日本が核武装する必要は無い」、
「日本が核を持てば核が世界中に拡散するから、核武装しない方がよい」、
「核武装するな」、
「核武装したら戦前のABCD包囲網のような経済制裁をするぞ」、
というのが「同盟国」アメリカの立場です。
すなわち、「核の傘があるのに核武装を選択する日本をアメリカが裏切りとみなす(キッシンジャー)。その結果、アメリカが日本に対して経済制裁を発動して日本国中失業者だらけになるから日本は核武装できない」と、大半の日本国民は考えています。
しかし、アメリカは日本の核武装(=日本の独立)を最終的には認める、と見ている専門家もいます。
ただし、アメリカが日本の核武装を認める根拠については明示されていません。アメリカが求める日本の軍事的独立に核武装が含まれないはずはない、という太田氏の推測です。
http://blog.ohtan.net/archives/50954174.html
http://blog.ohtan.net/archives/51164538.html
5、追悼 小野田少尉
以上です。